あんだ、この不動産

「わっ!」
間一髪パニックブレーキで止まった私のバイク。
その私のバイクの前輪をかすめるように
赤い車は車線変更を完了した。
急ブレーキの音に気づいたのか、ようやく一瞬後ろを見た。
私と目の合ったオバサンは
「なにそんなところで急ブレーキ鳴らしてんのよ!」
と言わんばかりに睨みつけると、前を向いて走り出した。

あんだ、この不動産 

思いっきりムカついた私は、エンストしたバイクを足で漕ぎ、
すぐにセルボタンでエンジンをかけ直すと、追跡を開始した。

ところが、なんと一瞬でオバサンにぶっちぎられ、
「追いついてドアを蹴っ飛ばす」予定が狂ってしまった。
まさかあんな逃げ方をするとは想定外だった。

そのオバサンは、右折車線から交差点を左折して行ったのだ。